「解散させたのは正解でした、じゃねぇんだよなぁ……! そのせいで俺様は嫁とも妹とも別居生活強いられてるんだが?」
「あっはは、左馬刻様荒れてるねぇ、こわーい」
 だん、と音を立ててジョッキを机においた。それを注意してくれる相手はおらず、いるのは目の前で煩く笑うピンク髪の男だけだ。
「うるせぇ。そもそもなんで確執作んのが俺と一郎、テメエと先生だったんだよ。他の組み合わせでも良かったろーが」
「え?それはおねーさんたちが仕向けたことだから僕のせいじゃないし。まあ仮にそうじゃなかったとしたら左馬刻絶対一郎とチーム組んじゃうじゃん。組まないほうがおかしいじゃん」
 くふくふとおかしそうに笑う乱数は左馬刻が睨みつけるのにも動じず、手酌でグラスに酒を注いでいる。
「当たり前だろ。俺と一郎が揃えば負けるはずがねぇ」
「そこ! それ!」
「あぁ?」
「チームを解散させて四人の力を分散させるのが狙いだったんだから、解散後も一緒にいさせるわけないじゃん」
 理解はできる。けれども納得できるかどうかはまた別の話だ。楽しげな笑顔を浮かべたままの乱数に鋭い視線を送りながら、左馬刻は残っていた酒を一気に煽る。
『左馬刻さん、そんな飲み方体に良くないっすよ』
 そう言って、止めてくれる相手ももういない――けれど、浮かんだ懐かしい声に左馬刻はそっとジョッキをおろした。
 今、何をしているのだろうか――思い出してしまえば、どうしたって恋しくなる。
 やっぱり隠しカメラでも設置しておけばよかったと何度したかわからない後悔を胸に抱く。写真や音声は手に入るが、やはりリアルタイムで存在を確認したい――直接逢えれば一番良いのだけれども。それができないことぐらい、左馬刻だって理解はしている。そのために、こんな茶番を続けているのだから。
「おねーさんたちは左馬刻と一郎がまだ離婚してないのは知ってるけど、まああんなことがあったし離婚届だしてないだけ?ってことで一応納得してるから変なことしないでね」
「十分大人しくしてるだろ」










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